大人にとって、床矯正は難しい



 床矯正(しょうきょうせい)という治療を、聞いたことはありませんか?

床矯正は、子供の矯正治療でおこなわれるものです。舌の下の部分へ、文字通り床のような矯正装置を装着します。歯の内側から外に向かって力を加えることで、下あごの骨の成長を促していきます。

ご存じの通り、育ち盛りの子供は、骨が成長していきます。身長も伸びていきますし、あごを含めた顔や頭も大きくなっていきます。この時期にうまくあごが成長していかないと、歯がきれいな1列に並ぶスペースが作れなくなります。

床矯正の装置、一例です。中心に位置するネジを回し、あごを拡大していきます。

 あごが小さければ、歯の並ぶスペースが不足しているために、一部の歯が前後にずれて生えてしまうのです。したがってあごが小さいと、出っ歯や八重歯、受け口(しゃくれ)などになりやすいとされています。

すずき歯科クリニックHPで、写真付きでとても分かりやすく説明しているので、ご覧下さい。このように、下あごだけではなく、上あごにも装着することが分かると思います。



大人と子供では
多くの場合
治療方法が異なります


このように、子供の矯正と大人の矯正は、考え方も治療方法も、そして矯正装置も異なります。大人であれば、もうあごの成長は終わっています。これ以上歯がきれいな1列に並ぶスペースを作れないので、あまり使わない歯を抜くなどして、スペースを作ってから歯を移動させていきます。

こちらはふしみ矯正歯科HPです。
こちらにある動画「上下4番抜歯症例」をご覧いただくと、抜歯をしてから矯正をおこなう流れが理解しやすいかと思われます。



大人に床矯正を
おこなう歯医者さんって…


時折、かなり少数派ではあるものの、大人にも床矯正をおこなっている歯医者さんを見かけます。小児矯正をメインに学んできた歯科医師が、大人の矯正を担当するケースで多いようです。そしてこれも時折ですが、床矯正の治療中である大人の患者さんが、「かなり痛いのに歯が動いている実感がない…」といったことを書き込んでいるサイトも見かけます。

こちらは歯チャンネル88というサイトです。
当時24歳の患者さんが歯科医師に勧められ床矯正をおこなったところ、前歯が開咬(オープンバイト・すきっ歯のことです)になってしまったという相談に対して、複数の歯科医師が回答を寄せています。

大人が床矯正をすれば、あごの骨は拡大せずに、歯の根っこ(歯根・しこん)だけが外側に押し出されたのだと思われます。そこで前歯がフレアーアウトを起こしたのでしょう。


フレアースカートのように外側へ広がった状態を、フレアーアウトと言います。あさがおの花びらなどを思い浮かべるといいかと思います。床矯正によって前歯が押し出され、前歯の歯と歯の間にすき間ができてしまうほどフレアーアウトしてしまったのではないでしょうか。

ただしこのサイトを調べると、前歯から4番目以降奥歯までの歯列を、側方つまり横の方向へ押し出す場合、大人でも床矯正をおこなう場合があるようです。なるほど!僕もまだまだ勉強不足だと反省しています。

長くなってしまいましたが、大人の場合でも床矯正をおこなう、あごを拡大するなどと歯科医師から説明があった場合は、ほかの歯医者さんにも相談し、セカンドオピニオンを受けてから受診した方がいいかと思います。



【今週のスポットライト!】




FM京都でジム・オルークさんラジオ番組をやっていて(奇数月の火曜日夜9時)、1時間ずっとミュージック・コンクレートやノイズやフリージャズのみをかけまくるんですね。
Ton Bruynèlも、この番組で知りました。
1934年にオランダで生まれた音楽家です。




曽根己 晌圭(そねみ しょうけい)
お問合せ・ご意見・執筆依頼などは
shokei.sonemi@gmail.com まで…




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